藤崎2丁目歯科 知識の部屋

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麻酔の痛みの軽減策

歯科治療において嫌いなものは何かと聞くと「麻酔」という答えが多い
理由は「痛いから」というものである
歯科の麻酔の痛みは「針を刺すときの痛み」「麻酔薬を注入するときの痛み」の2種類があります
この麻酔の痛みを少しでも軽減する方法について解説します


麻酔の針を刺すときの痛みの軽減


表面麻酔

歯茎の表面の知覚を鈍麻させる

歯科用表面麻酔薬


極力細い針を使用する

麻酔に使用する針の太さ(直径)は「G」という単位で表現します
通常よく使われる針の太さは27G(0.40mm)や30G(0.30mm)です
この理由は手動の注射器では、これ以上細い針を使うと抵抗が強すぎて麻酔薬を押し出すことができないからです。
しかし刺す痛みを抑えるためにはより細い針のほうがいいのは言うまでもありません
現在最も細い針33G(0.26mm)を使用するためには機械式の注射器を使う必要があります

歯科用注射針
写真上33G下30G


手動式の注射器


機械式の注射器


テクニック

針を刺すときの痛みは歯茎の表面だけではありません
骨の表面(歯茎の下)に「骨膜」があり、むしろこちらのほうが痛みを強く感じます
一気に刺すのではなく浅くゆっくり刺し、骨膜上で液を注入しこれを麻痺させてから深く注入することが大切です

余談ですが

麻酔の針を刺す時の痛みを左右するものとして「運」があります
皮膚や歯茎の表面には「痛点」という痛みを感じる点があります
この「痛点」に針を刺すと痛みを感じることになり、外れるとあまり痛みを感じないことになります
この「痛点」はどこなのかわからないため「運」ということになります
実際に手の甲などの1cm四方の四角を書き、にシャープペンシルや針などで少しづつずらしながら突っついてみると、痛いところとそうでないところがあることがわかると思います
これにより1平方センチにいくつの痛点が存在するかわかります
暇な方はやってみてください


麻酔薬を注入するときの痛みの軽減


麻酔薬注入時の速度

麻酔注入時一気に麻酔を注入すると急激に骨膜の剥離や組織の膨張が起こるため痛みをより強く感じやすいのです
できるだけゆっくりに一定の速度で注入するのが痛みの軽減には有効です(歯科用麻酔カートリッジ1本1.8mlを約1〜2分程度の時間)
手動注射器は速度にむらがでやすいので機械式注射器のほうが痛みは少ないと考えられます。


麻酔薬の温度

誰でも「冷たい」「熱い」という感覚があるはずです。
麻酔注射時も麻酔薬の温度により多少なりと刺激があります。
体温と同じくらいに麻酔薬を暖めることにより、この刺激をなくすことができます

歯科用カートリッジウォーマー

麻酔について以上のような配慮をしている歯科医院は、患者さんの苦痛に対して気を配ることの出来る「よい歯科医」であると言えるでしょう

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